総合格闘技イベント「BreakingDown」で注目を集める「やるべしたら竜」こと佐藤竜さん。
彼は4人兄弟の末っ子として北海道で生まれ、想像を絶する壮絶な幼少期を経験してきました。
特に、21歳という若さで亡くなった兄の存在は、彼の人生を大きく変える出来事となりました。
現在は亡き兄の夢を継承して会社を経営する実業家の顔を持ち、同時に格闘家としてリングに立ち続けています。
本記事では、竜さんの家族背景と、兄弟の絆が織りなす感動的な生き様に迫ります。
佐藤竜は4人兄弟の末っ子
竜さんは北海道で4人兄弟の末っ子として誕生しました。
つまり、3人の兄がいる環境で育ったということです。
しかし、その家庭は決して恵まれたものではありませんでした。
母親は家庭を省みることなく外出を繰り返し、父親からは日常的に暴力を受ける日々。
食事すらままならない状況で、2歳年上の兄が店から食べ物を持ち帰り、それで飢えをしのいでいたといいます。
命をつなぐことさえ困難な環境の中で、兄弟は互いに支え合いながら生き抜いてきたのです。
あまりの環境の過酷さから、児童施設で生活することになった時期もあったそうです。
このような過酷な状況下で育った竜さんにとって、兄たちは単なる家族以上の存在でした。
生きるための絆で結ばれた仲間であり、精神的な支えだったと言えるでしょう。
幼少期の壮絶な経験は、現在の竜さんの強さと精神力の礎となっています。
普通の家庭では決して味わうことのない苦難を乗り越えてきたからこそ、今の彼があるのです。
亡くなった兄
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竜さんの人生において、最も大きな転機となったのが兄の死です。
今から7年前のハロウィンの夜、兄は罪を犯してしまいます。
警察とのカーチェイスの末、乗っていた車が炎上し、そのまま帰らぬ人となりました。当時、兄はわずか21歳という若さでした。
この事件は全国ニュースでも報道されたほどの大きな出来事だったといいます。
当時、真面目に仕事とスノーボードに励んでいた竜さんにとって、兄の死は信じられない出来事でした。
「兄を守れなかったのか」「更生させることはできなかったのか」という後悔の念は、今でも竜さんの心に深く刻まれています。
一時は未来が見えなくなるほどの喪失感に襲われたそうです。
しかし、この悲劇こそが竜さんのその後の生き方を決定づけました。
兄の命日である11月1日に試合を行うなど、亡き兄への想いを胸に戦い続けているのです。
21歳で命を落とした兄の分まで生きる、という強い決意が感じられますね。
兄の夢を継承して会社を経営
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竜さんは格闘家であると同時に、北海道札幌市で「FUJI工業株式会社」を経営する実業家でもあります。
空調設備や電気設備を扱うこの会社は、実は兄が始めようとしていた事業でした。
もともと竜さんは就職のために北海道を離れていました。
しかし、兄から「内装業と土木業をやるから帰ってきてほしい」と誘われ、故郷に戻る決断をします。
兄弟で立ち上げた事業は順調に進んでいましたが、軌道に乗り始めた矢先に兄は事故で亡くなってしまったのです。
2017年12月、竜さんは「SSCカンパニー」という会社を設立しました。
社名の由来について、「佐藤兄弟が始めた会社だからSが二つ」と語っており、兄弟で事業を行う強い意志が伝わってきます。
兄の死から7年が経過した今も、会社経営を続けながら格闘技で活躍する竜さん。
「生きているだけで多くのチャンスがある」という言葉には、兄への想いと感謝の気持ちが込められているのでしょう。
竜さんにとって会社経営は単なるビジネスではありません。
亡き兄と築き上げたものを守り、兄の夢を実現させ続けることこそが、彼の生きる原動力となっているのです。
仕事を通じて兄との絆を感じ続けているのかもしれませんね。
竜さんの両親
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竜さんの両親について、詳しい情報はあまり公開されていません。
しかし、幼少期の家庭環境が極めて厳しかったことは明らかになっています。
父親について
竜さんの父親は暴力的な性格で、日常的に子供たちに手を上げていたといいます。
警察官の前でも容赦なく殴るほどで、お腹や顔面を殴られることが当たり前の環境でした。
このような状況に対し、竜さんは「うずくまるのが嫌だった」という強い意志を持っていました。
小さい頃から筋トレを始めたのは、父親に負けないためだったのです。
「父親に勝てるようになりたい」という思いが、現在の格闘家としての原動力になっているのかもしれません。
過酷な経験が、皮肉にも彼の強さを形成する要因となったわけですね。
母親について
母親は家庭を顧みない生活を送っていました。
飲み会に行っては男性関係を作り、家に帰らない日々が続いたそうです。
その結果、子供たちは食べ物にも困る状況に置かれました。
命の危機とも言える環境の中で、兄弟は互いに助け合って生き延びてきたのです。
両親からの愛情を十分に受けられなかった分、兄弟の絆はより強固なものになったと考えられます。
このような背景を知ると、竜さんが亡き兄の夢を継いで生きる理由がより深く理解できるでしょう。
竜さんの私生活と家族
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壮絶な過去を持つ竜さんですが、現在は結婚して2人の子供がいることが本人のSNSで明かされています。
会社経営と格闘技の練習で多忙な日々を送る中でも、家族との時間を大切にする姿勢が見られます。
自らが経験した辛い幼少期とは対照的に、温かい家庭を築いている竜さん。
仕事やトレーニングで家を空けることが多いものの、子供たちと過ごす時間を何よりも大切にしているそうです。
過去は変えられないけれど、未来は自分で選べる!そんな生き方を体現していると言えるでしょう。
父親として、会社経営者として、そして格闘家として。
複数の顔を持ちながらも、すべてに全力で取り組む姿勢は多くの人々に勇気を与えています。
幼少期の経験があったからこそ、今の幸せをより強く実感できるのかもしれませんね。
自分の子供たちには、決して同じような思いをさせたくないという強い決意も感じられます。
負の連鎖を断ち切り、愛情あふれる家庭を築く竜さんの姿は本当に素晴らしいものです。
まとめ
やるべしたら竜こと佐藤竜さんは、4人兄弟の末っ子として壮絶な幼少期を過ごしてきました。
若くして亡くなった兄の夢を継承し、現在は会社を経営しながら格闘家としても活躍しています。
過酷な環境で育った経験は彼の強さの源となり、現在は自身の家族との温かい生活を築いています。
兄への想いを胸に、今やれることに全力で取り組む竜さんの姿勢は、多くの人々に希望と勇気を与え続けているのです。



