フィギュアスケートペア「りくりゅう」の誕生は、引退寸前のベテランと未来を模索する若き才能が偶然の再会を経て結びついた、まさに運命の物語です。
木原龍一選手と三浦璃来選手が2019年に出会い、ペアを結成するに至った馴れ初めから「りくりゅう」誕生秘話、そしてミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック金メダルへと続く軌跡を詳しく紹介していきたいと思います。
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「りくりゅう」結成の前夜
フィギュアスケートの世界で華やかな演技を見せる「りくりゅう」ペアですが、その結成前夜には、木原龍一選手と三浦璃来選手それぞれの厳しい現実がありました。
一方は引退を覚悟し、もう一方は新たな可能性を模索していた。
2人の苦境が重なり合ったからこそ、後の「奇跡の出会い」が生まれたともいえます。
引退の瀬戸際にいた木原龍一
2013年にシングルからペアへと転向した木原龍一選手のプロフィールは次の通りです。
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ジュニア時代の恩師から「非力くん」と呼ばれていた木原龍一選手は、ペア転向後に驚異的な肉体改造を経て、力強いスケーターへと変貌を遂げました。
しかし腰椎分離症や肩の怪我など、度重なる試練に見舞われます。
2019年には前パートナーとのペアを解消し、心身ともに限界を迎えていました。
引退を覚悟した木原龍一選手は、名古屋の邦和スポーツランドでアルバイトをしながら日々を過ごしていたのです。
スケート人生の岐路に立たされた当時の状況を思うと、後の展開が改めて奇跡的に感じられます。
未来を模索する三浦璃来
一方の三浦璃来選手のプロフィールはこちらです。
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高校生だった三浦璃来選手も、前のペアを解消し新たなパートナーを探していました。
全日本選手権などで木原龍一選手と顔を合わせる機会はあったものの、面識はほとんどない状況。
「すっごく怖い印象があった」と後に語っているように、当初2人の間には距離がありました。
それでも新しい未来に向けて踏み出そうとした三浦璃来選手の姿勢が、後の出会いを引き寄せたのかもしれません。
木原龍一と三浦璃来の運命の出会い
それぞれが別々の苦境を抱えていた2人が、運命的な形で一つの氷上に立つことになります。
場所は名古屋の邦和スポーツランド。
誰も予想しなかった出会いが、日本フィギュアスケート史を変えるきっかけとなりました。
偶然が重なった再会
2019年7月、三浦璃来選手は練習のために邦和スポーツランドを訪れます。
そこで木原龍一選手がアルバイトをしているという偶然の一致が、運命の歯車を動かしました。
2人の共通の友人であるアイスダンス選手が仲介役となり、「一度滑ってみたら?」と2人を引き合わせたのです。
このアイスダンス選手こそ、「りくりゅう」誕生の裏に隠れた影の立役者といえるでしょう。
木原龍一選手は後に「こんなに神がかったタイミングはなかった」と振り返っており、偶然が積み重なったこの再会の意味の大きさが伝わってきます。
「この人しかいない」と確信した瞬間
初めてリンクで手を取り合った瞬間、2人の動きは驚くほど自然に合ったといいます。
リフトの高さ、スロージャンプのタイミング、スケーティングの一歩一歩のスピード感まで、すべてが初めて組んだとは思えないほど一致していました。
木原龍一選手はこの瞬間を「雷が落ちた」と表現するほどの衝撃を受けたと語っています。
指導にあたったブルーノ・マルコットコーチも、その相性の良さに目を見張ったといいます。
このトライアウトを経て、2人は互いに「この人しかいない」と強く確信し、ペアとしての未来へと踏み出しました。
「りくりゅう」誕生秘話とは?
「りくりゅう」ペアの誕生には、数々の運命的な出来事と、あまり表に出ることのなかった感動的なエピソードが詰まっています。
2人を引き合わせた人物の存在、木原龍一選手が歩んできた知られざる過去、そして元パートナーの複雑な思い。
それぞれのストーリーが重なり合って、この歴史的なペアは生まれたのです。
奇跡の出会いを演出した「影の立役者」
愛知県スケート連盟の久野千嘉子フィギュア委員長も、この歴史的なトライアウトを目撃した一人でした。
次世代のペア育成に取り組んでいた彼女は、2人の相性の良さを即座に見抜いたといいます。
共通の友人のアイスダンス選手が仲介役を担い、久野委員長がその場に居合わせていたという偶然の連鎖がなければ、「りくりゅう」の誕生はなかったかもしれません。
ペア結成にはこうした縁の下の力持ちたちの存在があったこと、改めて感慨深いものがあります。
木原龍一の知られざる過去
前述の「非力くん」というエピソードに加え、木原龍一選手のシングル時代には、ある日突然「しばらく休みます」と告げて音信不通になってしまったこともあったといいます。
恩師の成瀬葉里子さんが明かしたこのエピソードからは、若き日の自由奔放な一面がうかがえます。
その後、ペア転向を決意してからの肉体改造は目を見張るほどで、再会した成瀬さんは「大胸筋がムキムキになっていて、本当に別人のようだった」と語っています。
かつての「非力くん」が世界を制するスケーターへ変貌する道のりは、決して平坦ではなかったのです。
元パートナー・高橋成美の思い
木原龍一選手の元パートナー・高橋成美さんは、「りくりゅう」ペアが結成された当初、複雑な気持ちを抱いていたことを正直に語っています。
「私が味わいたかったのにって未練たっぷりでした」という言葉には、ともに世界を目指した競技者ならではの切なさが滲みます。
世界選手権で銅メダルを獲得したトップスケーターだった高橋さんも、やがてその思いを応援へと昇華させ、2人の成長を温かく見守る存在となっていきました。
「奇跡の出会い」が生んだ金メダル
結成からわずか4ヶ月で出場したNHK杯で5位入賞という成果を残した2人は、その後も国際舞台で存在感を示し続けます。
そしてミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック。
ショートプログラムで5位と苦しいスタートとなりましたが、フリーでは世界歴代最高得点となる158.13点をマーク。
合計231.24点での劇的な大逆転優勝は、日本フィギュアスケートペア史上初の金メダルという歴史的快挙となりました。
三浦璃来選手が「7年間積み上げてきたものって嘘じゃなかったって思えた」と語ったこの瞬間は、2019年夏の名古屋の氷上から始まったすべての努力が結実した場面でした。
まとめ
木原龍一選手と三浦璃来選手の馴れ初めは、引退寸前のベテランと未来を模索する若き才能が、友人の仲介という偶然から「奇跡の出会い」を果たした物語です。
「りくりゅう」誕生秘話には、縁の下で支えた人々の存在と、2人が歩んできた試練の数々が詰まっています。
その積み重ねの先に、金メダルという栄光があったという感動秘話です!


